こころが醸す
六代目の日記
酒のこと。「辛口純米 花ごころ」
皆さま、おつかれさまです。
ともぞう。です。
今回は酒のことに書かせていただきます。
当蔵の定番の中でもベースとなる「 澤乃花 辛口純米 花ごころ 」。
この商品だけラベルの字が「 澤乃花 」になっているのにお気づきの方はいらっしゃいますか?
まず、その話から。
「 澤乃花 」は創業(明治34年・西暦1901年)からの主要銘柄で、由来は「 佐久の清流に咲く美しい花 」の意、シンボルはあやめの花です。
私が蔵に戻った時にも当たり前のように、うちの酒は「澤乃花」であったわけですが、自分が酒造りに携わる中で自分の思う酒を造りたいとの思いが生まれ、その酒を澤乃花とは“違う銘柄”を立ち上げ、それを販売していくことも考えました。
酒蔵の息子が蔵に戻り第二ブランドを立ち上げることも多く、私も例にもれずそのようなことを考えていました。
新しいものを考えることのワクワクもしばらくはあり色々な名前を考えましたが、考える名前全て自分の中でどうもしっくりこない。
お、これいいじゃん。と思ってノートに書き留め翌朝になってそれを見ると、どこか違和感を感じ、考えた名前がどれもが嘘くさく感じました。
結局のところ「 澤乃花 」が一番すっきり感じるわけです。
今思うとここには書くとはできない当時の自分の想いも沢山あったし、最終的には幼心に感じていた、うちは「澤乃花」というお酒を造っているんだ、を捨てられなかったのだろうと思います。
そして、新たに書家の先生に書いていただいたのが「 澤乃花 」と「 澤の花 」。
「 澤乃花 」は従来の酒をよりブラッシュアップしていく、そして、お買い求めいただきやすい形で販売していく酒。
「 澤の花 」は自分の思い描く酒を追い求める、そして想いを大切に販売していく酒。
そんな微妙に違う立ち位置です。
「 花ごころ 」というサブネームを付けたのは、創業者である初代が「 澤乃花 」つけた想いと心をいつまでも繋げていきたいとの想いから。
うちらしい味わいの主張しすぎない酒(料理に勝たない酒)、なんとなく飲み続けていられる酒、価格以上の品質を感じられる味わい、冷やしても温めても美味しく感じられる酒、等々。
そんなイメージから何年も試行錯誤とブラッシュアップを重ね、全量長野県産の酒米を使い(佐久産のひとごこち)、60%精米、クラシックな吟醸麹、小川酵母と7号酵母のブレンド、アルコール分15度、低グルコース濃度、原酒上槽、搾ってからほぼ1週間以内に全量瓶火入れ、低温瓶貯蔵で醸しています。
↑造り手目線で見れば全力投球の酒造りだと思っていただけるかと思いますが、自分が思う精一杯の酒造りを一番下のクラスの酒からしたい。
この酒で一番難しいところは、冷やしても温めても良い酒、要するに温度帯を選ばずにお楽しみいただける味わいにすること。
酒は冷やせばすっきりするし、温めれば味わいが開く。
すっきり飲める中に味わいを感じるようにする、温めても味わいが濃く感じることなく馴染む味わいにする、を共存させること、それは味わいはもちろん酒器から感じる香りや口の中で感じる香り両方にも気を配ること。
上手く表現できているように思います。
地元で一番飲まれている普通酒の価格帯からはは少し高いのかもしれませんが、うちにとっての THE 地酒はこれ。
他社の酒、過去のうちの酒、と比べて絶対に負けたくない酒をお届けしたい120%の気合いと手間暇、愛情込めて醸しています。
個人的おすすめは12℃ほどのやや冷たい温度帯~15℃ほどの常温、または50℃くらいまで温めた熱燗です。
「どんな料理にも合う」は少し乱暴な言い方かもしれませんが、和食全般、何と飲んでもお楽しみいただけると思います。
そんな酒です、よろしくお願いいたします。